『岡崎京子の研究』(アスペクト)

一般情報

題名 岡崎京子の研究
著者 ばるぼら
出版社 アスペクト
ISBN 978-4-7572-2090-4
初版発行2012-07-23
定価 本体1,600円(税込1,680円)

入手方法

全国の書店で購入可能ですが、大きい本屋でないと売ってないとの情報もあります。ウェブ上からは以下のサイトで購入可能なようです。

目次

すべて解説文であり本人の原稿・イラスト・マンガがそのまま収録されているわけではありません(引用はあります)。対応した年表は発行年月日・書名・種別・タイトル・一言解説で構成されています。

外部紹介記事

補足

カッコ類について、作品名や固有名詞は「」、書名やパッケージ名は『』、特集名は《》、引用文は〈〉が使われています。ただし引用文中では「」や『』の使い方は原文ママです。

内容紹介(オンライン書店用)

岡崎京子は日本のカルチャー史に何を遺してきたのか? 1980年代から1990年代半ばにかけて活動し『pink』『東京ガールズブラボー』『リバーズ・エッジ』『ヘルタースケルター』を生んだマンガ家・岡崎京子の軌跡をほぼ網羅した研究資料集成。デビュー以前から事故後までを解説と年表で読み解く全六章。初心者から長年の愛読者まで、21世紀の岡崎京子研究の基本文献となるでしょう。

プロローグ(抜粋)

本書は岡崎京子に関するデータを集めた研究本です。彼女がどんな仕事をしてきたのか、それだけを注意深く追うことがまずは必要だと思いました。古い読者と新しい読者の両方を対象に、当たり前の読み方、当たり前の情報を共有することで、岡崎京子に対する印象を一度まっさらなゼロの状態に戻して、本書の読後に新たな気持ちで作品を読み出せることを目的とします。斬新な視点で思いもよらない評論を展開することは、その後に必要になるでしょう。それはあなたにお任せします。

コメント

岡崎京子という女性マンガ家の仕事を追った本ですが、マンガ評論ではなく80〜90年代の文化評論の本になっています。岡崎京子に限りませんが、マンガ家を論じるときに、マンガ史の観点からマンガの影響関係のみで捉えるのでは、様々なものを見落としてしまう、と考えています。マンガ家の部屋にマンガしかないとは思えませんし、色々なものを見たり聞いたりして作品を生み出すはずで、その多様なインプットを考慮したうえで、最終的にマンガにどのように表現されたのか、を考察する必要があるのではないでしょうか。問題は、今からそれをするには少し時間が経ちすぎている点です。

そこで、この本はマンガを含め時代性が感じられる事物を比較的多く解説しています。20世紀から読んでいる読者にも、「ヘルタースケルター」で興味を持った新しい読者にも、岡崎京子の何を知ればよりマンガが興味深く読めるのかがわかる、そうした時間差を埋めるために使われるといいなと思います。濃い題材を取り上げれば内容も自動的に濃くなる、という見本かもしれません。なお、ご本人やご家族とは関わりはありません。

デザインがなかなか気に入っています。本文と図版が入り組んだ一体感のある誌面デザインになっています。デザインはこじままさきさん、DTPは広田正康さんです。

参考文献追加

いくつかの雑誌が参考文献のリストから抜け落ちていました。

修正情報

追加情報

注:2015年に行われた岡崎京子展をきっかけに、かなり多くの未掲載情報が発掘されましたが、それらすべてを反映はできていません。


blogdexjp@hotmail.com
最終更新日:2018年6月3日