『モダニズムのナード・コア』についての情報

一般情報

題名 批評週間臨時増刊号 モダニズムのナード・コア
著者 ばるぼら、四日市さやわか泉信行radicalimdkm(目次順)
発行 2010-12-05(二刷2011-06-25)
予価 1,000円

入手方法

2010年12月5日の第11回文学フリマ(@大田区産業プラザPiO 大展示ホール)で販売された、評論を中心としたミニコミです。発売についての反応はTogetterにまとめられています。誤字等を修正した第二刷がウェブ書店Lilmagで販売されています。初版ほど刷ってないのでお早めにご購入下さい。

概要

92ページ。《現代美術×オタク》。音楽のナードコアの話は一切出てきませんのでご了承下さい。タイトルのみ「ナード・コア」と中黒が入ります。

訂正

下記の誤りがございました。 訂正させていただくとともにお詫び申し上げます。

プロローグ

普通、新しい藝術の理論を読むと、ペダンチックな学術用語が沢山出て來て読みにくいし、やっと文章をたどることが出來ても、結局は何にも掴めなかったりしてしまいます。理論が入り組み、解らない言葉が沢山出て來て、難しければ難しい程深刻な内容があると思って有難がる、というような今までの封建的な悪習はもう御破算にしなければなりません。どんなに深い思想でも、平たい言葉で明快に説明出來る筈です。私はこゝで皆さんと膝を交えて語り合うような氣軽さで話を進めて行くことにしましょう。

上記の引用は岡本太郎の著書『アヴァンギャルド藝術』の冒頭からです。この本の初版は1950年9月1日に発行されています。つまり60年も前の文章なのですが、現在も状況はさほど変わっていないようです。哲学、社会学、現代思想などの分野で使われる用語を多用することこそが批評であるとでも言いたげなテキストや、自分はこれほどまでに豊かな感性を持っているのだと示したいがための大仰かつ装飾過剰なポエムは散見されます。衒学趣味、中二病、エトセトラ。芸術が難解である前に、それを取り巻く状況が既に難解なのです。まったくばかばかしいことです。

『モダニズムのナード・コア』は現代美術とオタク文化についての本です。現代美術は難解ではない、と主張する本ではありません。難解な現代美術はあります。ただ、世の中には一見難解でない現代美術もあり、それを抽出して取り上げることで、取り巻く状況の難解さを少しでも取り除くことは可能なのではないでしょうか。より詳しい内容については本誌をご覧下さい。

コメント

上記は建前です。本書は近年のカオス*ラウンジ周辺に対する盛り上がりを受けて編集されました。カオス*ラウンジを入り口に現代美術へ興味を持った若い人に読まれることを第一の目的としています。とはいえ、前提となる知識はいささか必要かもしれません。しかし最初は知っている単語が出てくる部分だけ読めば大丈夫だと思っています。本書で便宜上使っている「オタク」とは「ナード(nerd)」と「ギーク(geek)」のことです。

諸注意

執筆者の方々には目次もまともな編集意図も他の執筆者が誰かも、ほぼ何も知らせずに原稿を依頼しご協力いただいております。執筆者は編集者の意向に必ずしも同調しているわけではありません。本書に関して何か問題があった場合、すべて編集者が責を負います。鬼のスケジュールで情報もなしに素晴らしい原稿を頂きありがとうございました(唐突な私信)。


blogdexjp@hotmail.com
最終更新日:2011年07月07日